【劇評】「国を盗む人」の話らしい
国盗人(くにぬすびと)――W・シェイクスピア「リチャード三世」より――
を見に行ってきました。
萬斎ですよ、ま・ん・さ・い!!
一度は生で見たいと願いつつも、チケットがなかなか取れず、ずるずると3年くらい経過してしまいました……orz
悲願達成です。
でも本当は、去年の「―敦―山月記」を見たかったんだけどね。
ま、それはそれとして。
全体として、非常に分かりやすいシェイクスピア劇でした。
この間の『夏の夜の夢』も分かりやすくて良かったけど、「よく分からない」というのは、やはり現代人には辛いのかなあ、と思います。
原作は15世紀イングランドの「薔薇戦争」を題材にした悲劇なのですが、萬斎は舞台を日本に置き換え(時代不明)、登場人物も、原作の名前をもじった日本人名に。
実は私、恥ずかしながら「リチャード三世」の元の話を全く知らなかったのですが。
(「王家に生まれた悪知恵の働くせむし男が、のし上がっていく話」ってことしか知らなかった)
それでもきちんとストーリーが理解できて、最後の方には、
「もしかしてこれ、薔薇戦争の話白薔薇と赤薔薇だし……」
ということに思い至るほどでした(^-^)v
※注:劇中では、赤薔薇族と白薔薇族の対立が描かれている。
白石加代子の1人4役も素晴らしかったです!
彼女は萬斎よりも大きな拍手を受けていたよ。
で、今回は7年以上の観劇人生の中で、初めて千秋楽を見に行きました。
「千秋楽は盛り上がる」というのは聞いていたのですが、チケットが取りづらいので、敢えて避けていたのです。
しかしやっぱり盛り上がりますね!
カーテンコールでは、通常舞台に上がらない裏方の人も出てきてました。
衣装デザインがコシノジュンコだったので、彼女も出てたし。
私は彼女の顔を知らないのですが、
「絶対そうだそうに違いないそうとしか思えない」
と、一発で分かるような格好をしていました(笑)。
そして、「リチャード三世」を理解できたことで、「天保十二年のシェイクスピア」をより深く理解できたように思います