【マンガ評】「カエサル」の名を持つ男
筆者自らイタリア語の原書を読み、築き上げた“新説 チェーザレ・ボルジア伝”……。
西洋史専攻としては、必読の漫画だと以前からチェックしていたこの作品。
まずは1巻購入!!
いやはや、これ凄いです!
まず、漫画なのに参考文献が半端じゃない……。
ブックオフに置いてあった商品が余りに汚かった(上に高かった)ので、今回は新品を買ったのですが、曲がりなりにも英語の文献を読み、卒論を書いた身としては、彼女がこの作品にどれだけの労力と時間を費やしてるかと思うと、もうその努力に敬意を表するためだけでも、743円の価値は充分にあろうかというもの。
てゆーか、著作権料ちゃんと取って頂いて結構です!!って感じです(笑)。
まだ1巻なのでストーリーは核心部分には入っていないのだけど、伏線としては、かなりいい感じ♪
漫画とはいえ、かなり正統派の歴史書。
ベルばらなんか目じゃないくらい、ホントに正統派です。
まあ、ベルばらは少女漫画なのに対し、こちらは青年誌なのでね。
漫画だとよくあるように、イタリア史研究の学者さんか何かがストーリーを書いてそれを漫画化した、とかいうのなら「なかなか面白いじゃん」で終わっていたと思われますが、漫画家本人が自分で1次史料に当たって、文献を読み漁って描いている、というのがすごい。
一体本業は漫画家なのか歴史学者なのか……。
とりあえず早く続きを買おう。
2020年8月7日追記
何ということでしょう……。
この記事を書いてから10年以上経ったけど、まだ完結していない、かつ終わりも見えないという……。