大混戦の女子フリー
浅田真央がSPとの合計で自己最高得点を更新し、
日本人初の3回目の世界タイトルを手にしました。
ところが、女子フリーのプロトコルを詳しく見てみたらなかなかに大混戦な展開です。
え?どこが大混戦かって?
SPのTOP3がそのまま金・銀・銅じゃないかって?
まあまあ、下記をご覧くださいな。
●TES(技術点)順位
1:アンナ・ポゴリラヤ/67.19(露)←
2:ポリーナ・エドモンズ/66.39(米)←
3:ユリア・リプニツカヤ/65.57(露)
4:浅田真央/65.27(日)←なんと4位
5:アシュリー・ワグナー/63.64(米)
●PCS(演技構成点)順位
1:カロリーナ・コストナー/73.78(伊)←
2:浅田真央/72.76
3:ユリア・リプニツカヤ/68.39
4:鈴木明子/67.13(日)←
5:グレイシー・ゴールド/66.69(米)
●フリー順位
1:浅田真央/138.03
2:ユリア・リプニツカヤ/132.96
3:アンナ・ポゴリラヤ/131.24←
4:アシュリー・ワグナー/129.52
5:ポリーナ・エドモンズ/126.91
6:カロリーナ・コストナー/126.59←
7:グレイシー・ゴールド/124.27
8:鈴木明子/122.70
技術力の浅田が3人の15歳に後塵を拝する技術点4位。
銅メダルに輝いたコストナーがフリーのみではなんと6位。
フィギアスケートという競技は本当に、ショートプログラムとフリースケーティングを2本揃えること、技術力、演技力共に高いレベルを保つことがいかに大切か……ということを思い知らされる結果でした。
浅田の優勝(というよりもこの場合コストナーの銅メダル)は、演技・技術の総合力、そしてショートの貯金がもたらしたものなんだなーと。
SP不要論なども出ているようだが、そんなことになったらこんな劇的で複雑な展開には決してならないだろう。
ちなみに今日のフリーで私が涙したのは何といってもコストナーのボレロ
ジャンプ2つもシングルになって、転倒もあって、なのに何だあの背中で語る、背中で魅せると思わせる演技は
指の先、足のつま先まで気を配れるのは、もはやトップクラスなら当たり前。
顔の表情もほとんどの選手が気を配っている。
でも……でも!
背中だけ見てても凄いセクシーで、背中だけで様々な“色”を魅せて、背中だけで音楽を刻んで、背中だけで演じきったと言っても過言ではない。
そんな演技は、フィギアスケート22年見続けてきて初めて目にしました。
コストナーにも、最後のシーズンにソチ五輪と世界選手権で素晴らしい演技を見せてくれてありがとうと言いたいです。
そして改めて15歳の3人の成長が恐ろし過ぎる
アンナ・ポゴリラヤとポリーナ・エドモンズはまだ技を繋げているだけという印象なのだが、彼女たちが今後PCSを伸ばしてくることを考えると空恐ろしい。
特にポリーナは長身を活かしたダイナミックなスケーティングが見事で、深いエッジワークでスピードに乗った滑りを見せていたので来シーズン以降確実に伸びてくる。
何で誰も彼女のスケーティングを褒めないんだ
そしてつぶやきでも書いたけど、男女シングルの来季の世界選手権確定枠。
日本:男子3、女子3
アメリカ:男子3、女子3
ロシア:男子2、女子3
カナダ:男子2、女子2
スペイン:男子2、中国:男子2、フランス:男子2
イタリア:女子2
女子は、日米露の三強時代に突入したと言ってもいいでしょう。
(日本の次世代が若干不安ですが。)
男子は、かなり国がばらけていますね。
フランスはジュベール引退、アモディオも引退?で、来季以降どうなるのかちょっと不安です。
何はともあれ、半年間のオリンピックシーズンも明日で最後です!
今から10月が待ち遠しいけど、こちらの身が持たないので(笑)、
しばしの休息を取ることとしましょう。
※2019年8月4日追記
この時15歳だった3選手……今や誰も世界の第一線で活躍しているとは言い難い……。
ポリーナは翌年から早くも失速していったし、リプは引退……。
かろうじてポゴが頑張ってたけど、ここ数年は大会であまり見ないなあ……。