中国杯 雑感
まさかのアクシデントがあったので、演技その他について全く書いてないのでザザッと。
まず、男子シングルの最終順位はこちら。
1位:マキシム・コフトゥン(露)
2位:羽生結弦
3位:リチャード・ドーンブッシュ(米)
4位:ナム・ニューエン(加)
5位:ミーシャ・ジー(ウズベキスタン)
6位:閻涵(中)
コフトゥンはあの雰囲気の中、やりにくかったでしょうが4Tはしっかり決めて無事に1位に。
がしかし、羽生とのSP・フリー合わせた点差はわずか7点弱……。
羽生の減点5があるために、フリーの合計得点ではかろうじて上回っていますが、TESとPCS個別の合計点は共に羽生が上回っています。
ロシアのエースとしてはもう少し頑張ってほしいところ。
逆に言えば、羽生の今季のプログラム構成がそれだけ凄い(とゆーか激鬼)だということなのでしょうけれど。
そして今回演技の面で最も目を引いたのは、カナダのナム君でしょう!
あのアクシデントがあった時6分間練習で一緒に滑っていた4人の中で、自分の持てる力を最も発揮できた選手だったと思います。
一緒に滑っていた選手たちは一歩間違えれば自分が怪我をしていたかも知れず、決して他人事ではなかったはず。
まして、彼は羽生のトレーニング・メイトです。
ショックがなかったはずはありません。
アクシデントのせいでオーサーコーチも羽生につきっきりになっていて、演技前のサポートも充分ではなかったでしょう。
その中であの演技ができた、というのは大きな自信になったと思います。
4年後、確実にオリンピックのメダル候補に成長してくるでしょう。
最後に羽生君の演技について。
今回、SP・フリー共に完成形を見せることはできませんでしたが、プログラムの全貌は見えました。
もの凄いプログラムです。
これを完璧に滑り切れば、300点越えは確実でしょう。
フリーは怪我の影響でジャンプはボロボロでしたが、スピンやステップでは魅せてくれました。
本当ならどこかにイナバウアーとビールマン・スピンが入るのかな?と思いましたが、元々腰を痛めていたので今回は回避したのかも知れません。
驚いたのは、こんな時でも“歌いながら”滑っていたことです。
気持ちを込める手段としては良いのでしょうが、まさかあの怪我を抱えても歌うとは思いませんでした。
次に女子シングル最終結果
1位:エリザベータ・トゥクタミシェワ(露)
2位:ユリア・リプニツカヤ(露)
3位:村上佳菜子
4位:ポリーナ・エドモンズ(米)
5位:ガブリエル・デールマン(加)
6位:李子君(中)
トゥクタミシェワが完璧なフリーを魅せ優勝。
一番乗りでGPF出場権を獲得しました。
残念だったのは、2つ目のジャンプがダブルになったことと、後半に2回目の3連続を入れてしまったことでしょうか。
これは想像ですが、冒頭のジャンプが本当は3-3だったところ、3-2-2にしたために計算が狂ったのかも知れません。
スピン・ステップもレベル3なので、まだまだ得点の伸ばせる余地は残っています。
心配なのは、フリーなんと4位のリプニツカヤ。
2回の転倒以外にも危ないジャンプがいくつかありました。
前半のジャンプで足を痛めたかと心配でしたが、エキシビションでは華麗なジャンプを跳んでいたので一安心です。
注目はアメリカのポリーナ・エドモンズ。
フリーだけなら2位に入りました。
オリンピックで見たときから注目してきましたが、アメリカの次期エースは確実でしょう。
GPF出場は難しいでしょうが、次も頑張ってほしいです。
最後に解説について。
以前、「フィギアスケート解説陣、の解説」において、織田君の解説について言及しましたが……。
その後彼は、大会を経るごとに驚異的な解説力の向上を見せ、もはや田村岳斗に並ぶほど(下手すると超えたかも)になっています(笑)。
まさかこのブログを読んでいるとは思えないのですが、私が指摘したことがスケート・カナダでは見事に改善されていて驚きました。
更に、細かなステップやターンの名前まで入れる詳細で分かりやすい解説は、ファンのみならず一般視聴者にも好評のようです。
(荒川さんも産休に入ったようですね。)
しかし、スケート・カナダでは男女共に織田君の解説で非常に快適だったのに、中国杯では何故男子の解説が佐野稔に……。
いやテレ朝としては多分、五輪チャンピオン出るから格を上げたつもりなんでしょうけど(佐野先生の方が多分ギャラ高い)。
なのにアクシデントの時などは、織田君も喋ったりして解説2人状態で微妙な感じだったし。
とは言え、織田君に影響されたのか、一応ちゃんと解説をしようと努力する佐野稔先生はちょっと見物でした。
ロステレコム杯ではまた、織田君1人の解説に戻るのかなー。
NHK杯は当然本田さんだろうし、佐野先生の出番はGPFまでなさそうですね。