池波作品は“時代劇”としては亜種
私は池波ファンで、鬼平、剣客商売、梅安はシリーズ全作読破し、単発の作品もいくつか読んでいるが、さいとうたかおの漫画版はあまりにも男性向けに(絵も内容も)描かれてるので読む気がしない。
男性はともかく、“BL”とか“スパダリ”とか、明らかに女性をターゲットとしていると思われる用語が並んでいるんだけど、原作ならまだしもこれは女子は受け付けないよ……。
あと、「かの有名な“火付盗賊改方 長谷川平蔵”」とあるけど、歴史上の人物としても時代劇のヒーローとしてもマイナーな部類に入ると思うのは私だけだろうか?
歴女の私でも長谷川平蔵の存在を認識したのは鬼平を読んだからだし(しかし読んだのは高校か大学の早い時期だ!)、高校の日本史の教科書に載っていたかどうか記憶が曖昧。
時代劇として亜種なのは、時代劇に必要な要素の一つである“勧善懲悪”ではないから。
池波が描く世界は全て
人は良いことをしながら悪いことをし、悪いことをする一方で良いことをするもの
という、人間の複雑さや趣の深さである。
鬼平や剣客商売のドラマ版は確かにそこそこの視聴率を取っていたと思うけど、いわゆる時代劇として思い浮かべる『水戸黄門』『銭形平次』『遠山の金さん』『暴れん坊将軍』などとは、若干視聴者層が異なるのではないか?
そう意味では、かつて放映されたアニメ版は、賛否両論あったが、女性向け(男性も?)時代劇アニメとしては非常によくできていたと思う。
- イケメン鬼平への批判があったが、原作を読む限り鬼平はイケメン、間違いない。
- ダンディズムの世界観をうまく萌えに昇華して描いている。
- 女性キャラ(美人)のサービスカットなど、男性向け要素もあり
- 殺陣の表現が臨場感があった(人が演じたところを撮影してアニメ映像にしたと聞いたような……)
- 原作を知らないアニメファンも普通に楽しめる作り
という、原作ファン垂涎のできだったので、ぜひSEASON 2をやってもらいたいのだがwww
一部声優陣への違和感などはあったが、アニメ自体を見慣れている層なら違和感ないかも?
2019年8月4日追記
この記事を受けて書いた記事。
アニメ版鬼平、第2シーズンないなあ……。