【ドラマ評】2016夏ドラマ
いまいち爆発的ヒットが生まれる予感のないまま、夏のドラマが一通り出そろった模様。
私が見ているものと、ネットなどでの評価も参考に独断と偏見で一部ドラマについて好き勝手に語る。
●好きな人がいること
フジテレビの月9ドラマ。
現在3話目まで放送済みだが、2話目までしかまだ見ていない。
私としては、“イケメン3人にきゅんきゅん♡”とかいうのは置いておいて、普通にドラマとして面白いと思う。
レストランを買収しようとしている吉田剛太郎演じるFCオーナー?とか、すでに料理への情熱を失っていると思われる三男の行動とか、そこに出生の秘密が絡んでるんじゃないかと思わせる伏線とか、きゅん要素以外にも見どころは多い。
が、残念ながら「きゅんきゅん要素をふんだんに盛り込む」ことに注力しすぎた結果、これらのドラマを面白くさせる要素に視聴者の目が向いていないような……。
個人的にはそんなにきゅんきゅんしないので、そっちに目がいっているのだけど。
あと桐谷美玲演じる主人公のキャラがイタすぎる。
女子高生ならまだしも、いくら4年も恋していないという設定とはいえアラサーであれはイタい。
3話で酷評されていた「夜の水族館に不法侵入」に関しても、「高校生同士の青春ものならありだけど……」と思ってしまう。
とりあえず引き続き見る予定ではある。
●せいせいするほど、愛してる
北川みゆき原作の同名漫画を、タッキーと武井咲のダブル主演でドラマ化。
ぶっ飛び展開が酷評されてるけど、これ割と原作通りなんじゃないかと睨んでいる。(未読だから確証はない)
第一話にグレイシー・ゴールドがゲスト出演ということで見たが、展開の妙よりも滝沢秀明にちっとも萌えない自分に驚愕した。(月9より萌えない)
先はきになるが、萌え要素皆無で見続けるのはきついので2話目以降を見るかどうか迷っている。
●ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子
今期の中では最も“好み”のドラマ。
『アンフェア』、『ストロベリーナイト』からつながるフジお得意の猟奇もの。(特にカンテレ制作は個人的にハズレがない)
トラウマを抱える美人で有能な女刑事×猟奇殺人というのがフジの真骨頂、という感じだ。
刑事じゃないけど『探偵の探偵』もその系譜だと期待して見ていたが、あれはラストで門脇麦が全部持っていったのがちょっと残念だった。
枠も火曜9時ではなく木曜10時枠の方が深夜帯で猟奇ものに向いてるし、視聴者も枠の傾向に慣れてるのでいい気がするが、『営業部長 吉良奈津子』の視聴ターゲットのワーママ層は9時台の番組は見れないと踏んでこういう編成になったのだろうか。
中盤までは1話完結かと思って安心して見ていたら、3話であっさりと“続く”展開となり、ふぉ~!ってなってる。
●家売るオンナ
私が見ている中では最も“よく出来ている”ドラマ。
不動産業はマッチングビジネスであることが分かりやすく描かれている。
例えば、「墓地の隣にある西日がきついマンション」。
誰が喜ぶんだ、と思われる家も裏を返せば、
- 西向きなので夕方遅くまで明るい
- 午前中は日が入らないので夏でも冷房いらない
- 西日がきつい→夕日がきれい
- 墓地の隣=高い建物が半永久的に建たない→夕日の眺めは変わらない
など、メリットとなるポイントは色々ある。
しかし毎朝5時に起きて洗濯しているような人には、間違いなく住み心地が悪いだろう。
誰かにとって良い家も他の誰かにとっては悪い家、逆もまた然り。
表面上のアピールポイントだけを連ねて売り込むのではなく、「その人の求めるもの」を提供するという営業の基本が見えるお仕事ドラマ。
主人公が住む“事故物件”の秘密も気になる。
『家政婦のミタ』×『ドクターX』という声もあるが、どっちかというと『ハケンの品格』のイメージ。
日テレだし。
●女たちの特捜最前線
高島礼子主演ということで話題だが、見てみると意外と面白く引き続き見ている。
8時台に夕食を作りながら見れる緩さもありがたい。
警察署に勤務するも“刑事ではない”おばさん3人が井戸端会議で事件を解決していく、という設定が新しい。
今のところ、1話も2話も主人公3人の友人の女性が犯人か!?→真犯人は別にいてハッピーエンドという展開が続き、ちょっと飽きてるので3話目以降は違う展開を期待したい。
●神の舌を持つ男
向井理主演なのでとりあえず見てみたが、初回15分で脱落した。
堤ファンには良いのか分からないが、壮大な内輪ネタを見せ続けられ、しかも一応ミステリーであるはずなのにいつまで経っても事件が起こらない。
三助にうっとりする女性たちなども生理的に受け付けず、速攻消去。
●時をかける少女
もう何回目かの実写化。
世間的には酷評されているが、私としては月9よりもタッキーよりもこっちの方がきゅんきゅんする!
違う時代の人間に恋をしてしまう未来人・翔平と、主人公の幼馴染でずっと好きだったのに突然翔平に持っていかれる吾朗、男子2人の恋心が切ないよ!
私、きゅんポイントが一般女子と比べて大きくずれてるなって、今回改めて実感したわ。
それについては、別記事で詳述予定。
視聴率低下の原因は説明不足な脚本とみた。
初回、特に最初の30分、脚本が複雑すぎて、ドラマ慣れしていない視聴者はついてこれないだろう。
また、SFのタイムトラベルものは“タイムスリップ”がほとんどだが、このドラマでは“タイムリープ”というマイナーな現象の説明が全くない。
時を飛べるようになった主人公が、突然「あたし、タイムリープできるようになったの!」って、前々から“タイムリープ”なんて言葉を知っていたとは到底思えない。
とは言え、リオ五輪の関係で元から「全5回」の予定だったとのことで、視聴率低くも打ち切りなどはなく普通に終わる予感。
今期は日曜にやっている3本はどれも見ていないので、これにて終了。
結構頑張っている方だと思う。