GPFを前に……NHK杯
えー、大分間が空いてしまいましたが、NHK杯です。
今回、NHK杯はある意味でとても衝撃的な大会だったと思います。
まず、羽生結弦が出場を表明したこと。
中国杯から3週間、表舞台に出てこなかった本人の周囲で、TVや新聞が大変なことになっていて、オーサーコーチや連盟は大批判に晒されていたわけですが。
NHK杯の会見で自ら怪我の状態などについて語り、連盟やコーチ陣への感謝まで口にしたことで報道の雰囲気が一変。
一転して「羽生君頑張れ!」ムードになり、最終的にGPF出場を決めたことでNHK杯への強行出場どころか、中国杯の怪我をおしての演技すら「正しい選択だった」ことにしてしまいました。
中国杯の演技についてはやはり美談で済ませてはいけないけど、そういうムード?にしてしまうのはやはり羽生君の人間的魅力というか、なんというか……。
(我が家ではNHK杯の会見を見ながら、夫婦で「いい子だー」と呟いていました。)
また、衝突時の詳細が本人の口から語られたことも大きかった。
彼によると、最初の衝撃は「閻涵選手の膝が自分の太ももに入った」とのこと。
足への衝撃が最初にあったため、頭への衝撃は和らいだと思われます。
そしてこれは当初から言っていましたが、しばらく起き上がれなかったのは鳩尾への衝撃で呼吸ができなかったため。
結果として意識を失っていたなどもなく、“脳震盪かどうか”は本人が一番よく分かっていたのかも知れません。
見た目が衝撃的だったため、そして生中継だったこともあり、必要以上に大事になっていた部分もあったのでしょうか。
まだ後遺症が心配ですが、もう今季は肩の力を抜いてマイペースでやって欲しいです。
そして羽生のGPF進出を後押ししたのが、今季GPF圏外の村上大介初優勝!
何が起こった!?と言いたくなるような、今までの実績を大きく塗り替えるノーミス演技でした。
そして男子シングル最終結果。
1位:村上大介 246.07
2位:セルゲイ・ボロノフ(露) 236.65
3位:無良崇人 234.44
4位:羽生結弦 229.80
5位:ジェレミー・アボット(米) 229.65
2位以下が若干自爆大会になってしまったこともあり、唯一人ノーミスだった村上の優勝は納得。
彼が優勝したことで、ボロノフ・無良・羽生の“表彰台ならファイナル進出”だった順位が1つずつ繰り下がり、3人が順当に進出を決めました。
村上の優勝で頭をよぎったのが「羽生が世界選手権逃すとかいうパターンもあるのか!」ということ。
GPFでの最上位メダリストになれず、全日本4位以下だったらありえる……。
町田、無良、村上(小塚)、羽生、とかの順位だったらどうすんだろ。
去年の高橋状態だー。また揉めそうだなー。
そして男子シングルGPF進出者。
1:マキシム・コフトゥン(露)
2:ハビエル・フェルナンデス(西)
3:町田樹
4:無良崇人
5:セルゲイ・ボロノフ(露)
6:羽生結弦
日本男子は、少し前の日本女子のような感じになってきましたね。
実際、世界的に見てもちょっと個性的な有力選手が少なくて、寂しく感じる今日この頃です。
個人的には、2戦とも優勝で獲得ポイント1位でGPFに乗り込む棚ボタ・コフトゥンがどこまで踏ん張れるか、が全体の順位を左右しそうです。
次に女子。
1位:グレイシー・ゴールド(米) 191.16
2位:アリーナ・レオノワ(露) 186.40
3位:宮原知子 179.02
4位:村上佳菜子 173.09
5位:加藤利緒菜 168.38
ゴールドは、本人も言うように確かに完璧ではなかったけど素晴らしい演技でした!
そして何より感動したのが会場のあたたかい雰囲気と拍手。
宮原・村上と日本人選手のGPF出場を阻むゴールドの優勝でしたが、純粋に演技の素晴らしさを讃える姿勢。
得点発表後や優勝インタビューでも、決してお義理ではない拍手が会場全体から聞こえていましたね。
昨季の世界選手権でも世界から称賛されたこの観戦マナーはずっと守り続けて欲しいです。
しかしそんなゴールドは足首の疲労骨折とかでGPFを棄権……。
そしてなんと何と!日本の本郷理華が補欠1位で繰り上げ出場が決定!
あのカルメンを一足早く世界にお披露目できますね。
今から楽しみです。
女子シングルGPF出場選手は以下6人。
1:エレーナ・ラジオノワ(露)
2:エリザベータ・トゥクタミシェワ(露)
3:アンナ・ポゴリラヤ(露)
4:グレイシー・ゴールド(米)→棄権
5:ユリア・リプニツカヤ(露)
6:アシュリー・ワグナー(米)
7:本郷 理華
ロシア4人!大変なことになっております。
日本は14季ぶりのファイナル出場なしとか言われてましたが、こちらも棚ボタで本郷選手の出場が決まりました。
とは言え優勝候補はやはり、ロシアっ娘たち。
2戦優勝のラジオノワが頭一つ出て、優勝・2位のトゥクタミシェワとポゴリラヤが追随。
リプニツカヤは2戦ともパーフェクトではなかったけど、どこまで仕上げてきているか、というところです。
本郷は、2戦ともPBを更新しているので、また前大会以上の演技ができれば良い結果に繋がるのではないでしょうか。
最後にペアとアイスダンスもサクッと。
ペアのGPF出場6組。
1:クセニア・ストルボワ&ヒョードル・クリモフ組(露)
2:メーガン・デュアメル&エリック・ラドフォード組(加)
3:川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ組(露)
4:彭程&張昊組(中)
5:隋文静&韓聰組(中)
6:于小雨&金揚組(中)
ソチ五輪銀メダリストが、順当に2戦優勝で1位進出。
昨季、怪我で五輪を逃した川口&スミルノフも注目です。
そして、ペア大国中国復権か!?と思わせる中国からの3組出場!
ソチ五輪では、長野以来4大会ぶりにメダルを逃し、ペア大国崩壊かと思われた中国ですが、注目の若手が続々と出てきました。
特に、于小雨&金揚組は、ペア大国の礎を築いたレジェンドペアの趙宏博がコーチだということで!
とても楽しみです。
次にアイスダンス。
1:マディソン・チョック&エバン・ベーツ組(米)
2:ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組(加)
3:ガブリエラ・パパダキス&ギョーム・シゼロン組(仏)
4:マイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組(米)
5:パイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組(加)
6:エレーナ・イリニフ&ルスラン・ジガンシン組(露)
五輪2大会連続で金・銀を独占しているカナダとアメリカから2組ずつ。
アイスダンスは、バンクーバーからソチまで金・銀が入れ替わっただけで2TOPが全く世代交代してないので、今後どんな勢力図になるか気になるところ。
年齢的に次の五輪までいけそうなだけに微妙なところです。
アメリカのシブタニ組は、その金・銀カップルの弟妹弟子なので今後に期待ですね。
そして!!!
注目の旧・イリカツ対決です(笑)。
第1ラウンドは、イリニフ組がGPF出場を決めて勝利、というところですね。
ソチで銅メダルを獲ったのに世界選手権後にあっさり解散してしまい、注目していただけにとても悲しかったのですが……。
不仲説が出た直後の世界選手権ではなんとツイズルが合わずに衝突……というアクシデントがあり、「あー、もう駄目なのかなあ。。。」と思っていました。
今季NHK杯で、ヴィクトリア・シニツィナ&ニキータ・カツァラポフ組が出ていたのですが、カツァラポフがリフトで女性を落としそうになるという……(ていうか落としてた?)。
演技後の険悪な雰囲気を見てると、どうもカツァラポフの方に問題があったのでは……という気がしてしまいました(^^;)
第2ラウンドはロシア選手権ですね。
果たしてどちらの組が欧州選手権、そして世界選手権に出てくるのか。
はたまた両組か……、気になるところです。
それにしてもGPFぐらい、カップル競技も地上波、せめてBSで放送してくれても……。
男女共に出場選手が半分になってるんだしさあ。。。