Fleur de Noir

日々の思いの丈、フィギュアスケート、映画、本、TV、もろもろ。

彼からの贈り物

彼との出会いは遡ること13年前。
中学に進学して入部した演劇部だった。
彼は、大会で上演する劇の音楽を担当していた。


彼との出会いに私は胸をときめかせた。
が、その存在は余りに遠すぎて手が届かない。
やっと指先にその片鱗が触れたと思ったら、あっという間に私の腕をすり抜けていってしまう。
私は彼を恋しく思いながらも、中学3年の秋には、新しい彼と出会い、彼とは違うその魅力の虜になった。
新しい彼が私を裏切るまでは……。

1、2年が過ぎ、青春のトキメキの熱が冷めると私は再び彼を思い出した。
が、既に彼はどこか遠いところに行ってしまっていて、私は引き出しの奥から時々彼の思い出の品を取り出しては、しみじみと昔を懐かしんだ。

彼と劇的な再会を果たしたのは、最初の出会いから8年後。
二十歳の夏のある日のことだった。
彼は姿を変え、名前を変え、けれど全く同じ空気をまとって突如私の目の前に現われた。
私は再び夢中になった。
最初に出会った頃よりも若干オトナになっていた私は、あらゆる手をつくして彼のことを調べあげ、13歳の頃よりはずっと近い存在になっていた。

が、2年前の夏のはじめ。
彼は再び私の前から姿を消してしまう。
当時、徐々に重要な仕事を任され始め、多忙を極めていた私は、彼を見送ることさえままならなかった。
消息不明とまではいかずとも、時折近況が届くのみという、何とも歯がゆい状態が2年以上続いたある日。
突然彼から贈り物が届いた。
私は早速開封し、その贈り物を堪能しながら再び彼への想いを馳せる。



彼からの贈り物=石田ショーキチ 初のソロアルバム『love your life』

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