Fleur de Noir

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日本男子初の二連覇達成!GPF男女フリー

国際的にはフィギュアスケートのシーズン前半が終了。

グランプリファイナル男女フリーが放映された日は、衆議院選挙の投開票日だったが、羽生結弦は首相の安倍晋三と同じくらい、下手したらそれ以上の注目を浴びていた。

正直、このタイミングでここまでの復活を遂げるとは思っていなかった。

(優勝は何とかできるかなー、くらいには思ってたけど。)

しかも、昨季のGPFで記録したフリーの自己最高得点を塗り替える194.08を記録して優勝。

昨季のプログラムと比較すると、構成は多少異なるものの各ジャンプの回数と入れる場所(前半か後半か)には変化がない。

上積み分は、成功させた4回転のサルコウと転倒した3回転ルッツの基礎点とGOEの差と言えるだろう(昨季は4S転倒し、3Lzは成功)。

今季開幕前に記事を書いたフリー200点越えについて改めて検証してみると、フリーはあと5.92点。

転倒したルッツが成功すれば基礎点が+1.98、GOEは0で計算しても+2.10。

また、今回レベル3認定を受けていた前半のステップがレベル4になると、+0.6。

技術点の伸びしろは、4.68……。

あと、1.3点ほど足りない分は、PCSに頼るしかないかな(昨季のPCSは95点台を記録してるので不可能ではないけど)。

 

では改めて男子最終結果。

1位:羽生結弦 288.16

2位:ハビエル・フェルナンデス(西) 253.90

3位:セルゲイ・ボロノフ(露) 244.53

4位:マキシム・コフトン(露) 242.27

5位:無良崇人 235.37

6位:町田樹 216.13

まあ、羽生の強さは圧倒的だったけど……。

2位のハビーとの得点差が30点以上あることをメディアが盛んに報じているが、ハビーのSP自己ベストは96.42で、15点以上マイナスとなる精彩を欠いたSPだったこと、またフリーでもいくつかジャンプのミスがあったことを考えると、二人の実力差がそこまで開いているとは思えない。

ただ、ハビーは屈指の4回転ジャンパーではあるが、本番で完璧に滑り切ることが少ないように思う。

もう少し勝負強さがあれば、もっと成績も上がるのではないかと思うだけにもったいない。

 

衝撃だったのは町田と無良。

無良はSP6位で折り返し、フリーでもジャンプにミスが見られたが、SP2位で折り返した町田があそこまでボロボロになるとは思っていなかった。

追記事によると、卒論の執筆に追われて寝不足だったというから驚きである。

これはもう、切り替えて全日本で頑張ってもらうしかないだろう。

 

そしてロシアの二人。

ベテランのボロノフが安定感を見せて3位に。

一方SP3位のコフトゥンは、フリー4位で最終5位に堕ちてしまった。

驚いたのは、冒頭の4回転が2回転になるミスはあったものの、それも含めGOEでのマイナスは皆無。

ただ、4Sが2回転になったり、最後のスピンがレベル1認定など、基礎点の部分でかなり取りこぼしている。

また、この二人で気になるのがジャンプ構成の偏りである。

羽生とハビーは3回転以上のジャンプを6種類全て構成に入れているのに、ボロノフはフリップがなく、コフトゥンに至ってはフリップもループも構成に入れていない。

ザヤック・ルールのためにどこかでダブルアクセルを跳ばなければならず、基礎点が伸びにくく、PCSにも少なからず影響があると思われる。

4回転ジャンプを得意とする海外選手に多い傾向だが、ジュニアの時代から6種類のジャンプを組み込むことを基本にしている日本人選手の安定感は、この辺からきているのかもしれない。

あのパトリック・チャンですら、ダブルアクセルを構成要素に入れているのだから(彼の場合はトリプルアクセルが苦手だからだと思うけど)。

 

次に女子シングル最終結果。

1位:エリザベータ・トゥクタミシェワ(露) 203.58

2位:エレーナ・ラジオノワ(露) 198.74

3位:アシュリー・ワグナー(米) 189.50

4位:アンナ・ポゴリラヤ(露) 180.29

5位:ユリア・リプニツカヤ(露)177.79

6位:本郷理華 176.13

ポゴリラヤとリプニツカヤの不調があったとはいえ、ロシア4強の中にワグナーが割って入るとは予想してなかった。

ベテランの底力を見せつけたと言えるだろう。

入賞後の会見では、ラジオノワの「もう若くない」発言に、パンチの利いた皮肉を返していたのが印象的だった。

number.bunshun.jp

優勝したトゥクタミシェワと2位のラジオノワを比較すると、TESは同点。

明暗を分けたのは、PCSの差とSPでのリードだった。

SPでラジオノワの転倒がなければもっと接戦、あるいはラジオノワが優勝していただろう。

ワグナーは完璧な演技ではなかったが、ロシアの2人の自爆と、PCS2位という構成点にも助けられ銅メダル。

失敗の多かったロシアの二人のうち、気になるのはリプニツカヤ

体形変化の壁にぶつかっているのか(私たちの間ではこれをロシアタイマーと呼んでいる)、あんなに綺麗に決めまくっていたジャンプが跳べない。

長い競技人生を考えると、毎年好調なんてことはあり得ないので、あまり焦らずに、じっくりと基礎に取り組んで欲しいと思う。

 

そして、SP5位から1つ順位を落として6位でGPFを終えた本郷理華

しかし演技の出来は決して悪くはなかった。

減点は、冒頭のコンビネーションの回転不足と、ルッツのエッジエラー。

初出場、しかも急な参戦決定だったことを考えると、今回は良い経験になったと思えるのではないだろうか。

とは言え、ロステレコム杯のような演技ができていたら、5位はキープできただけに残念。

彼女には、来季の枠取りという重大な使命があるので、全日本、そして世界選手権で頑張ってほしい。

 

さて次は、ここ数年異様なまでの盛り上がりを見せている全日本選手権

シニア選手はもちろん、ジュニアの注目株にも期待したい。