本郷理華がGPS初優勝!ロステレコム杯男女シングル
GPSも早くも第4戦。
この時期は毎週GPSが開催され、見る方もなかなかにハードスケジュールです。
さて、ロステレコム杯。
大本命と見られていたソチ五輪金メダリスト、アデリーナ・ソトニコワが怪我のため欠場。
もう一人のロシアっ娘、ボゴリラヤの独壇場かに見えましたが、まさかまさかの本郷理華です。
以下、女子シングル順位。
1位:本郷理華 178.00
2位:アンナ・ポゴリラヤ(露) 173.43
3位:アレイン・チャートランド(加) 172.00
4位:長洲未来(米) 165.88
5い:パク・ソヨン(韓) 163.24
6位:大庭雅 154.57
今季シニア・デビューのカナダのチャートランドがSP1位で折り返したのも、番狂わせと言って良いでしょう。
SP1位のチャートランドと2位の本郷理華のSPは素晴らしかったですが、どちらかというとポゴリラヤが自爆した感じでした。
フリーでも立て直しできず、ジャンプで小さなミスを重ね得点が伸びません。
それでも新星のチャートランドをかわして2位にとどまるところは流石です。
本郷理華のフリーは、現時点での彼女の力からすると完璧だった、と言って良いでしょう。
アンダーローテを2つ取られ、最初のルッツはエッジエラー判定。
PCSは7点台で、GOEの伸びもまだまだです。
それでもあのカルメンは会心の演技だった!
ジャンプやスピン、ステップはもちろん、表情の作り方、目線の流し方、指先・足先の動き。
全ての要素で「今できることを出し切った」と思います。
でも、まだまだです。
先輩の鈴木明子にもアドバイスを請いながら創り上げてきた、というこのプログラムは、シーズンの終わりには彼女の代表作になると確信しています。
今回の優勝で、次戦からPCSも少々UPすることが期待できます。
なんとか世界選手権で、全世界の人に“Rika Hongo”の名を印象づけてほしいです。
日本女子フィギュア、鈴木明子の後継者は確実に本郷理華で決まりでしょう。
最終滑走だったカナダのチャートランドは、直前に滑った本郷の演技がかなりプレッシャーになったと思います。
彼女がパーフェクトな演技をすれば優勝できたでしょう。
しかしそこで、若さが出ました。
やはり小さなミスを重ね、3位に落ちてしまいました。
そう考えると、SPのTOP3の順位が、限りなく本郷にとって有利な展開だった、ということですね。
次に男子シングル最終結果。
1位:ハビエル・フェルナンデス(西) 265.01
2位:セルゲイ・ボロノフ(露) 252.00
4位:ミーシャ・ジー(ウズベキスタン) 238.05
5位:ジェイソン・ブラウン(米) 235.56
6位:小塚崇彦 216.80
1位のハビエルと2位のボロノフはSP順位からそのまま。
2人ともポロポロと小さなミスがありましたが、PCSの差が影響したかな。
SP3位の小塚はフリーで大きく順位を下げ、最終6位。
いまいち判断できないのが不調の理由です。
怪我の影響なのか、練習不足やモチベーションの問題なのか。
世界選手権では復調の兆しを見せていたし、本人も「怪我と上手く付き合いながらやる術が見えてきた」と話していたのに、今季ジャパンOPから3戦、今のところ“上手く付き合えている”様子が全く見えません。
何度も書いている気がしますが、不調の理由が怪我の影響なのであれば、一季棒に振ってでも手術に踏み切るべきだと思います。
そして、次の五輪を考えるとそのタイミングは今季か来季しかありません。
今の状態だと、手術をしないまま来季以降復調してくる要素が全くないです。
パーフェクトな演技をして勝てなくなったのなら諦めもつくでしょうが、現状のまま引退するには、本人も納得できないでしょう。
小塚に代わって3位に入ったのが、SP4位のミハル・ブレジナ。
今まで映画音楽や変な曲(と言ったらなんですが、「どっからこの曲を……」と思うことが多かった)ばかり使っていて、正統派クラシックは初めてというフリー「フィガロの結婚」。
これがハマりました。
スケート・カナダの時は何で気付かなかったんだろう、という。
曲のリズムが彼のジャンプのタイミングやステップに合っていたし、音楽の雰囲気や王子様スタイルの衣装も、端正な顔立ちによく似合っています。
最初に顔がアップになった時、「まつ毛長っ!」と思わず叫んでしまいました(笑)。
男子はハビエル・フェルナンデスが、女子はアンナ・ポゴリラヤがGPF出場を決めたロステレコム杯。
エリック杯の前に、GPF出場者の予想記事を書く予定。書きたい。書けるかな……。