スケート・アメリカ雑感①(男子FS、女子SP)
スケート・アメリカ男子シングルは、町田樹が30点以上の圧倒的大差をつけて2連覇達成!
フリーで魅せた『第九』は、初戦ということもあり決して完璧ではなかったが、それでもやはり作りこまれた素晴らしいプログラムであることは明らか。
いくつかのジャンプでバランスを崩し、後半のトリプルアクセルがダブルになってしまった部分をシーズン後半に向けて修正できれば、190点台は普通に出るだろうし、200点越えも見えてくるかもしれない。
コレオシークエンスは、てっきり『第九』の壮大な合唱と共にスケールの大きな世界観を演出するものと思っていたが、一番有名な部分を外してくるところが町田らしいといえば町田らしい、かも。
そして注目は、SP7位から巻き返して見事3位に入ったカナダのナム・グエン。
フリーだけなら2位、更に基礎点だけなら町田を上回るという、シニア1年目とは思えない驚異的なプログラムを用意してきた。
さすが、ブライアン・オーサーの門下生……。
自国選手だし、オーサーも気合の入れ方がハンパないようだ。
フリーの曲は、高橋大輔がバンクーバーでメダルを獲った時に滑っていたのと同じ『道』。
振付にも随所に高橋のプログラムへのオマージュか?と思われる要素がちりばめられていたようだが、彼は高橋のファンなのだろうか?
4回転を含むジャンプを全て成功させる素晴らしい滑りを魅せてくれた。
カナダはレイノルズの成長が芳しくなく、チャン引退後が不安であったが、このままいけば1、2年後にはグエンがレイノルズを追い越しそうである。
まだエッジの甘い部分があり、またジュニアっぽさが残るというか、プログラムの密度が薄いところが今後の課題だろうか。
平昌に向けてまた楽しみな選手がシニアに上がってきた。
女子SPは、トゥクタミシェワが期待を裏切らない貫録の演技。
2位にラジオノワが続き、ロシアの二人が頭一つ抜き出た形になった。
5点ほどの差でアメリカのグレイシー・ゴールドだが、フリー次第ではまだこの3人全員に優勝のチャンスがあるだろう。
特にゴールドは、母国の威信にかけてロシアにタイトルを獲らせるわけにはいかない!と会心のフリーを魅せてくれると期待したい。
気になるのはやはり、トゥクタミシェワが“飛ばし過ぎではないか?”ということ。
世界選手権どころか、ロシア選手権前に落ちなければ良いのだが。
最後のステップなど、プログラムはやはり素晴らしいのでシーズン後半に向けて滑り込んでほしい。
GPFに望みをつなげるためにも、何とかフリーで巻き返して4位辺りにつけておいてくれると良いのだけど、今季のフリーは全く見てないので何とも予想ができない。
ペアSPは、川口/スミルノフ組が1位。
ここ数年は怪我に悩まされ、オリンピック代表も逃してしまったが、ここにきて調子を上げてきた模様。
2位には、中国の(多分)国内TOPの二人。
アイスダンスは、アメリカのカップルがワン・ツーフィニッシュを飾った。
それにしてもBSでいいから、ペアとアイスダンスも放送してくれよ……。
去年はやってくれたのにー(T_T)
日本の選手が出るのはやるのかなー。