Fleur de Noir

日々の思いの丈、フィギュアスケート、映画、本、TV、もろもろ。

ジャパンオープン2014

いよいよ2014-15シーズンが本格的に開幕しますね!

先週、GPS開幕に先立たれて行われたジャパンオープンを見ました。

 

ジャパンオープンほど、選手によって出場の価値が異なる大会は他にないでしょう。

ここにピークを持ってき過ぎると、その後の重要な大会の調整が難しくなるし、かといってチーム戦なのであまり手を抜きすぎるのも心苦しい。

今シーズンのプログラム、特に挑戦的なプログラムを用意している場合、本番前にジャッジや観客の前で滑って反応を試したい……。

これも、ネーベルホルン杯フィンランディア杯などに出れば目的は果たせます。

となると、出場する一番の価値は「フィギア人気の高い日本の観客の前で滑れる」ということになるのでしょう。

 日本人選手にとっては母国ですし、外国人選手に対してもあそこまで惜しみなくあたたかい拍手を送ってくれるアウェイの観客は他にいないでしょう。

特に往年のフィギア選手・元選手に親日家が多いのも頷けます。

 

さて、もう1週間前のことなので若干忘れつつありますが、印象に残っている選手の雑感をば。

日本からの出場選手は、村上佳菜子宮原知子小塚崇彦無良崇人

宮原は良い感じにまとめてきていて、このまま調子を上げてGPF出場を目指してほしいものです。

今季のフリープログラム、まだまだ表現を磨き上げて欲しいです。

身体演技はできてるのに、表情が能面のようなのが気になるところ。

 

村上は「オペラ座の怪人」で“ファントム”を演じるという女子では多分初の試み!

ジャンプがパンクしてしまいましたが、これから滑り込んでGPSまでに仕上げてきて欲しいです。

 

小塚と無良は2人とも良い出来とは言えませんでした。

2人とも今シーズンが正念場です。

現在、日本男子2TOPは羽生と町田で決まりでしょうが、来季には高橋が現役復帰する可能性も残っているし、宇野昌磨がシニアに上がってくることも考えられるので、今季ある程度の実績を残さないと“第三の男”のポジションすら危うい状況です。

 

外国勢で気になったのはパトリック・チャンアシュリー・ワグナー

チャンは今季休養を宣言していますが、やはりオリンピックを経て大化けしそうです。

(一人異次元の点数が出ましたが、今季休養でピーキングを考えなくて良いので実力通りと言えるでしょう。)

オリンピックで恐らくはスケート人生最大の挫折を味わったであろう彼の演技が今後どう変わるのか、今から来季が楽しみです。

 

ワグナーは実力から考えると極端に低い得点でした。

採点表を確認したわけではないのですが、回転不足を取られまくっていたのではないか?と思います。

オリンピックでも回転不足を取られて不本意な成績に終わっていましたが、ワグナーはここ数年会心の演技をしても思ったように得点が伸びないのはその辺に理由があるのかな、と思います。

左利きなので少し不利なのかも知れません。

 

今回、日本チームは3位に終わってしまいましたが、そもそもこのチーム構成は日本チームに圧倒的に不利です。

北米チームはアメリカとカナダの2ヶ国でチームを組み、チームヨーロッパはロシアの他、フランスやイタリアなどから強力な選手を入れてチームを組んでいるのに、日本は日本だけでチームを組んでいます。

チームアジアとかではないのですよ!

(と言っても、金妍児を除けば日本人選手を上回る中国・韓国選手は今のところいませんが)

今でこそ優勝を狙えるようになりましたが、この大会が始まった当初は「こんなの絶対に勝てっこない!!!」と思ったものです。

日本人だけのチームで、北米やヨーロッパの選抜メンバーと対等に渡り合えるようになっただけでも、日本のフィギアの発展を思わずにはいられません。